寄席(落語の舞台)は施主様の一番のご要望 リビング(客席)から3枚の間仕切り引戸(幕)を開けると現れる小上がりの和室(舞台)。隣の寝室(控室)から、細長いWICを通路にして、この舞台へ通じています。リビング天井には角度を変えられる2灯のユニバーサルダウンライト。いつもリビングではなく和室を向いていますが、実はこれは舞台を照らすスポットライトなのです。 1段上がった和室の下部は、収納力豊富な引出しが組み込まれております。落語道具一式だいたいここに納まっているようです。そして舞台が始まるとリビングは客席になります。
1階は、和室自体や格子建具、無垢のカウンター材などが既に空間的なアクセントになっているので、クロスはあまり主張させずにいこうとお話ししました。又照明については和室の「寄席」舞台を演出するためのライティングを工夫しました。 雰囲気を演出しつつも、日常生活で暗いと感じないように、調光機能を標準としました。
和室のアクセント組子格子 玄関同様窓格子に採用した組子格子。卓越した技術の職人さんによる工芸品のような出来映えですが、実はとあるメーカーの工業規格品です。実際に納まってみると今回の空間にとてもマッチし、完成度は想像以上でN様も大満足でした。
その後、お家を舞台にした寄席を開催され、当社スタッフも含め総勢20名前後が集まりました。お父さんの落語を生で聞くのは初めてでしたが、あまりの軽快さに唖然!持ち前のテンポの良さと表情豊かな表現で大いに客席を盛り上げてくれました。身振り手振りも交えて観客をとりこにする痛快な話、プロさながらの落語家です!何よりとても楽しそうで、見ているだけで惹きこまれるようでした。 リビングの収容人数も、和室の舞台効果・演出も、控室からの通路も、全てがお父さんの想像通りうまくいったようで、私も内心ほっと致しました。